思いやりの国、日本。

今回の日本の滞在。

発病後初の帰国だったので、そりゃ~もう親や親戚、

心配掛けまくりの滞在でした。

 

今までは亡き祖母が使っていた2階の部屋を娘と

使っていたのですが、今回は2階へ上るのが大変だろうと

1階の客間に私のベッドが用意されていたり。

玄関、階段、お風呂場には手すりがついていたり、

これでもか~って迎える準備がされていました。

 

夜中、咳の発作で呼吸が出来なくなると、どこからか

母が現れ背中をさすってくれたり、「年老いた親に

こんなことをさせるなんて~」と思いながらも、子供の頃に戻ったような、甘えまくりの2週間強。

 

そんな滞在で、お友達に会うこともなく、外出もほとんど出来ない時間を過ごしましたが、

その少ない外出のときに、「日本人、あなたはすごい!」と思うことも。

日本に住んでいたときには当たり前すぎて、なんとも思わなかったけれど、海外からみる日本はこんな感じなのだろうな~。

しばらく、日本で感じたこと、書いていこうと思うので、よかったらお付き合いください.

 

1.本屋さんにて。

支払い時に順番待ちをしていると、自分の番が回ってきました。

でも、目の前にはベビーカーをもったお母さんと、ギャーギャー騒いでいる二人の子とも。

うん、うん、この時期の子供との買い物って大変よね~なんて思いながら、でも、その方々がちょっとばかり邪魔で

通り抜けることが出来ません。なんせこちらも杖を持っての移動なので、自分の思い通りの動けないのよ・・・。

「すみません。」と声をかけても子供たちの声にかき消され、お母さんまで届かない。

 

その時、周りの方々がさ~っと動いてくださって、列の柵を動かしてくださり、無事店員さんの待つレジまでたどり着く事が

出来ました。この周りの方々の行動も感謝ですが、一番びっくりしたのは、店員さんの一言。

「本当に、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」

 

これはびっくり、だって店員さんがご迷惑をかけたわけじゃないのに!

ご迷惑って思っていないけれど、まあ強いて言うならご迷惑をかけたのはその母子でして、決してお店の問題ではないのですよ。

こんな言葉、なかなかほかの国では聞くことが出来ません。

なんて素敵なの~、「日本人、すごいよ!」。

 

2.タクシーにて。

今回の帰国でまた咳が止まらなくなってしまった私は、飛行機内で他の病気をもらわないため、また回りの方に

私が咳をすることで嫌な思いをさせないためと、マスクをしっかり準備。忘れないように、玄関においておきました。

 

今回実家から成田までタクシーを利用したのですが、そのときの運転手さん。マスクをされていました。

 

マスク・・・マスク・・・。

うわ~忘れた!

 

その心の声が、思わず口から出てしまっていたようです。

赤信号で止まったとき、運転手さんが、

「まだ使用していない新品です。どうぞお持ちください。」

 

タクシーご利用のお客様にもれなくマスクのプレゼント!ってわけでもないだろうに。

私の口から漏れてしまった大きすぎる心の声を聞き漏らさず、ご自分のマスクを分けてくださいました。

 

もう、その気配り。どういうことよ~って。またまた「日本人、すごいよ!」。

 

日本人の最大の強み。

相手を思いやり、相手の立場に立って物事を考えられるところ。

スイスに戻ると、やっぱりサービスなどは日本にはかなわないといつも思わされます。

それは、相手の気持ちを考え行動できる日本人だから出来るサービス。

 

海外生活が長くなると、自分がどこにも属しきれていない存在に思えるときが増えるけれど、

こういうところは日本の心、忘れずにいたいなと思います。

 

P.S.初めの写真、なんだかわかりますか~?

いとこ家族が去年から折ってくれた千羽鶴。

持って来やすいように、鶴を広げる前の写真ですが、こんな小さな鶴を千羽も折るなんて、どんなに大変だっかと思うと

本当にうれしい。

こういうところも、本当に日本の心だなと気がつかされる、思いやりの国、日本!